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2008年10月 5日 (日)

John Sypal作品展-Gaijin Like Me- 新宿ニコンサロン

銀座と新宿のニコンサロン、奇しくも同じ題材、日本におけるガイジンを被写体とした作品展が開かれています。

題材が同じでもそのアプローチは全くと言っていいほど異なります。今回訪れた新宿ニコンサロンの「Gaijin Like Me」、作者はアメリカ生まれのガイジン、1979年生まれの若い写真家です。千葉県松戸市に居を構え、日本について、そして故郷のアメリカについての作品を発表されているそうです。

この写真展の狙いは明確です。日本におけるガイジンという奇妙な存在についてです。ここで作者が定義するガイジンとは極めて狭義の定義です。つまりガイジンとは白人男性である、と。日本人がイメージするステレオタイプのガイジン像があり、そのステレオタイプのイメージ通りに彼らが安住することにより、居心地の良い特権を得ていると作者はまず作品展のキャプションで論じています。彼らは日本人の中で珍しい存在であり続けること、そうであることによって特権を享受できるわけですが、その安寧を脅かすのが同じように特権を得ているガイジン同士ということになります。と言うわけで、珍しい存在であるガイジン同士が街ですれ違う時に見せる「控えめな対決姿勢」の視線を感じていて、それをテーマとしたということです。つまり自らガイジンである作者の視線の代わりにカメラを持ち歩き、被写体であるガイジンの視線を写し取ろうというユニークな実験です。

作品は街のスナップ写真です。スナップ写真というのは撮影者たる自分の存在を極力消し去り、街の生の表情を写し取るというイメージを考えてしまいます。つまり神の眼たらんという方法論です。だが作者は百八十度異なった姿勢です。撮影者である主体を被写体に晒すことにより、その反応を引き出そうというやり方です。


例えば法被を着て祭りに参加しているガイジンがいます。彼はたぶん御輿か何かの写真を撮ろうとしているのでしょう。次の写真で作者が向けるカメラの存在に気がついて、作者に向けてしかめっ面をしています。あまりに作者の狙い通りのリアクションに思わず笑ってしまう写真です。作者自身の社会に対する鋭い観察眼があり、そこから作品全体を通して漂ってくるのはこのユーモアと言ってもいいでしょう。

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